■ 概 要 |
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まず異金属の両端を接合した回路を作ります、そしてその接点を異なった温度で保つと、その温度差に応じた熱起電力が生じその回路に電流が流れます(ゼーベック効果)。このことを利用して接合した接点を対象物に、もう一方の接点を熱起電力を読み取れる計器(直流電圧計や温度計)に接続し、その測定値を読み取ることにより温度測定ができます。この原理を利用した二種の異金属(素線)の組み合わせを熱電対といいます。
熱電対には測定する温度により多くの種類が用意されています。
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○ 主な熱電対の規格 |
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種類(JIS) |
温度範囲 ℃ |
素 線 |
摘 要 |
B |
600〜1700 |
白金ロジウム30:白金ロジウム6 |
常温付近は不可 |
S |
0〜1600 |
白金ロジウム10:白金 |
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R |
0〜1600 |
白金ロジウム13:白金 |
還元雰囲気に弱い |
K |
-200〜1200 |
アルメル:クロメル |
還元雰囲気に弱い |
E |
-200〜700 |
クロメル:コンスタンタン |
耐蝕性が良い |
J |
0〜650 |
鉄:コンスタンタン |
還元雰囲気向き |
T |
-200〜350 |
銅:コンスタンタン |
低温の精度が良い |
N |
0〜1200 |
ナイクロシル:ナイシル |
高温安定性に優れる |
*上記に記載されている温度範囲の上限は素線の太さや使われる条件によって変わります。
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○ 熱起電力と許容差 |
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熱電対は種類により、その持っている起電力を規準熱起電力表から換算して温度測定します。また許容差とは、換算した温度から測温部の温度を引いた値の許される最大値をいい、許容差の小さいクラス1から、許容差の大きいクラス3まであります。
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○ 熱電対の寿命 |
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熱電対の寿命は使用する温度や雰囲気で大きく変わります。一般的に酸化雰囲気中で常用温度以下で使うと白金使用の熱電対(R,B,S)で約2000時間、その他の熱電対(K,E,J,T)は約10000時間程度です。それが上限温度で使用すると50〜250時間と寿命は大幅に短くなります。熱電対が寿命に近づくと合金の素性が変化することで、正常な起電力が発生せず正確な温度を捕えられず、最終的には断線します。 |
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○ 熱電対の形状 |
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代表的な形状で上から密閉端子型熱電対、開放端子型熱電対、シース熱電対 |